こどもと教育

部活に入らない子の特徴や部活に入らない理由-中学2年の娘の話


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みなさん、ごきげんよう。

「流されない育児」をモットーにしている私は、自分の言動や行動を周りのママ達に驚かれることもしばしば。そのひとつが今回のテーマ「中学校の部活問題」です。

私が中学生時代には「部活でしか経験できないこともある」「そもそも部活に入るのが当たり前」といった風潮があり、部活に入らないという選択をする同級生は少なかったように思います。学校にもよると思いますが、基本的には今もそれは変わりません。しかし、私が親になって「部活に入りたくないなら、入らなくてもいいんじゃない?」と思えるようになったのは、本人の意思を尊重したかったからにほかなりません。

以前、ホリエモンこと堀江貴文さん( @takapon_jp )がTwitterでこんな発言をしていたことがありました。みなさんはご存知ですか?

部活なんかやる必要ないよ
中高生には「部活」とは違う選択肢が必要だ (東洋経済オンライン) – https://t.co/Ki2dktSqYF

— 堀江貴文(Takafumi Horie) (@takapon_jp) 2017年1月18日

中学2年生のわが子は入学時に部活に入らない決断をしたのですが、そう思った理由や、家での生活の様子や親として思うところをまとめてみようと思います。

部活に入らない子の特徴

まずは娘以外にも部活に入らなかった、ごく僅かな同級生の特徴をまとめてみようと思います。大きく分けると、以下の理由に分けられるのではないでしょうか。

  • 部活よりも優先したい「家でやりたいこと」がある
  • 人間関係を築くのが苦手
  • 上下関係に気を遣うのが嫌い
  • 先生や学校が嫌い
  • 興味を持てる部活がない
  • 金銭的な余裕がない
  • 親に対する反抗心

部活よりも優先したい「家でやりたいこと」がある

今は昔と違い、自宅にいながらにして学びや遊びを自由に体験できるようになりました。
YouTubeをはじめとしたSNSや、インターネットに接続しながらオンラインでゲームを楽しめるようになったのもそのひとつ。
また、ひそかに「習い事をしない」「塾に通わない」という選択肢をとる家庭も増えてきたことから、じつは、自分の時間を自分らしく過ごせる子どもも増えてきていると感じます。

そうした子ども同士が、ネットを介して家でゲームを楽しんだり、または、一人時間を悠々と楽しむために「部活には入らない」という選択をすることも増えているのでしょう。

人間関係を築くのが苦手

そもそも部活動はコミュニケーション力を強化するための課外活動のひとつであることは、言わずもがな。けれどよくよく考えると、そういった子が学校に通っているというだけで、私はとても凄いことだと考えます。

人間関係を築くのがあまり得意ではないのに、学校に通っている。

さらに部活にも入って…となれば、そういった子どもにとってはどれだけ負担なのだろうと、想像するに余りあるもの。もう十分がんばっているのだから、もしこうした理由で「部活に入らない」という決断をしたのなら、親としては尊重してあげたいものです。

上下関係に気を遣うのが嫌い

これも「部活動ならでは」の素敵な学びの機会だといえます。将来、社会に出てからは必ず何らかの上下関係の中で生活することとなるからです。しかし、子ども達にとっては、これほど恐ろしいものはないのでしょう。

私自身は高校が文化部だったことや、その時の先輩がとても優しかった(から選んだ)のもあって、自分の人生を振り返ってみると、中学生時代ほど「先輩/後輩」の関係が明確だった時期は他にありません。

娘の場合、部活動見学の時点で、もともと入りたかった部活の先輩にとても嫌な印象を抱いたことが理由で「この部活には入りたくない」と感じたようです。そんな自分の気持ちに気づけたこと自体がすごいことだと思います。

親の立場からすれば、「とはいえ、ここで上下関係との関わりを持たなければ将来困るのでは…」と心配になるかもしれませんが、結論、まったく問題ありません

顧問の先生と合わない

これは先述しました「人間関係を築くのが苦手」とも重なる部分も多いですが、一方で、部活動ならではの「いつもとは違う先生や大人との関わり」といった部分が関係しています。
じつはわが家、娘だけでなく息子も中学1年の時に部活を辞めているのですが、その理由がこの「顧問との相性」でした。

話しを聞く限り、先生としては息子のことを気にかけてくれているか、むしろ気に入っているのでは?と思うような会話のやりとりなのですが、息子はそれがイヤだったようです。

大人の私たちからすれば「そんな理由で?」とも思うかもしれませんが、子どもにとっては、一大事。先輩との付き合いは最大2年ですし部活動の時しか関わり合いませんが、顧問は最大3年ですし、選択授業などでも関わる可能性があります。

「イヤだなぁ…」と思う人との接点は少ない方が、学校生活が楽しめるのでは。

私は息子が「部活を辞めたい」と言った時、そう考えて賛成しました。これについても恐らく「社会に出れば、嫌な人と関わらなければならないことなんて、いくらでもあるのでは。その時に常に逃げ続けるのか?!」といった疑問を持たれる方も多いと思います。
こちらについても、まったく問題ありません。

興味を持てる部活がない

後述しますが娘が部活動に入らなかった理由はいくつかあり、中でも最大の理由はこれでした。

娘は部活見学のタイミングでもともと自分が興味を持っていた部活ではなく「まったく興味のなかった部活」も含め、いくつもの部活動を見学しました。その結果、「やっぱり入りたい部活がない」と思い至り、部活に入らないという決断をしたのです。

金銭的な余裕がない

じつは私自身、学校職員として働いていた期間が10年間あります。
低所得者向けに、現在は様々な支援制度が整いつつありますし、私が働いていた頃にもすでに就学援助などの公的支援があり、受給していた家庭も多くありました。

そうした家庭が支払いを最もあとまわしにしがちなのは「給食費」で、部活動や修学旅行などについては(支援制度で直接支払われるものもあるので)きちんと支払われる傾向にありましたが、それでも(たしか私が学校で働いていた当時は部活への直接的な支援はなかったので)遠征費やユニフォームなどの道具への負担を懸念して、部活に入らないという子も少なからずいました。それが本人の決断なのかは計り知れませんが…。

親に対する反抗心

これも私が中学校で働いていた頃の話ですが、中学生にもなると自我が芽生え、自分の意思を様々な形で大人たちに伝えようとします。そうした中で、あえて大人が心配するような行動をとる子ども達も時々見受けられます。その行動(主張)のひとつに「部活に入らない」を選択する子どもも少なからずいるのです。一方で、こうした子にも、先述したような理由や背景があっての決断であることも多いので、単純に「反抗しているんだ」と決めつけないように注意したいですね。

娘が「部活なんて入りたくない!」と思った本当の理由

娘はナゼ「部活に入らない!」と決めたのでしょうか。
実際のところどうなのかじっくり聞いてみたら、理由はひとつではありませんでした。

  1. 先輩が怖い(部活見学で既に嫌なことを言われた)
  2. 放課後をゆっくり過ごしたい
  3. 夏休みに家族旅行ができなくなるのはイヤ
  4. つまり色んなことに縛られたくない
  5. 入りたい部活がない

と、こんな感じ。

もともと自由な校風のとある私立中学に憧れ、願書提出ギリギリまで迷っていた娘は、そこで見かけたいくつかの素敵な部活や同好会が気に入っていました。

最終的に「学校が遠すぎ」という理由で自ら公立中学を選択しましたが、現在の学校に入学してからも何かにつけてその学校と比較しちゃっているみたいです。

部活見学の時に興味が持てそうな部活はひととおり見学に行ったようですが、どこもピンとこなかったんだとか。

「部活に入らない」に対する、親である私の考え

私自身は中学時代に運動部の副部長をやっていたし「部活は入った方がいい」と考えていました。

部活に入ったおかげで今も体を動かすことは好きだし、文化部だって大会に向けての仲間との一体感を味わうことができる。

クラスメイト以外の友達ができるのも部活に入るメリットだと思います。もちろん娘とはそんな話も沢山したけど、それでも決断は変わりませんでした。

コラム:娘が「部活に入らない」と決めた時の周囲の反応

「中学入学=部活必須」と思っている親はとても多いです。娘が中学校に入学する前は、私もその一人でした。未だ強制加入の学校もたくさんありますし、私自身も娘がこの決断を下すまでは入らなきゃいけないものだと思っていました。

娘が部活非加入を決めた後に周りの友達にこのことを話したら、全員が「え?部活って入らなくていいの?!」っていうコメントだったのも印象的でした。笑

「部活に入らない」と伝えた時の担任の反応は?

とはいえ「担任に色々引き止められるのかなー」とか「成績に影響するのかなー」って少しは気になったのも事実。まぁ、結果は決まっていたけれど。

そしたら担任は「そうですかぁ。

まぁでも、本人が入りたくないのであれば仕方がないですよね。」って

え?!…そうなの?!

思いの外あっさり。笑
このタイミングで「部活って強制じゃないんですか?」って初めて質問してみたところ、先生いわく「うちの学校は強制ではないけど、今の所は全員が加入しています」とのことでした。

どうやら先生も部活の魅力を教えてくれたり、優しい先輩のいる部活を紹介してくれたりと気にかけてはくれたみたいだけど、それでも娘の気持ちが変わらないのでは仕方がないと尊重してくれたらしいのです。

部活に入っていない娘の放課後

そんなわけで、のびのび中学ライフがスタートした娘。毎日学校から帰ってくるのは16時前後と、委員会やクラブ活動を終えてから帰ってくる小学生の長男より早いことも珍しくありません。つまり、だいぶ余裕な毎日を送っています。

帰宅後は早々に宿題や自学を終えて、愛犬と戯れ、YouTubeを観たりひたすら絵を描いていたり弟たちと遊んだり。

とにかくのびのびと、自分のペースで好きなことだけをやっています。特に「つまらなそう」と感じたこともないし、ぐぅたらしている印象も全くありませんでした。

それから1年半経った今はというと

しばらくはそんな生活を送っていましたが、ある日、前から欲しがっていたウクレレを買ってあげました。そしたらドハマりしちゃって。毎日YouTubeを先生にして、みるみるうちに上達していきました。

最近はギターにステップアップして、近所の個人教室に通うようにもなりました。たぶん吹奏楽部の子たちよりも楽器に触れてる時間は長いんじゃないかと思います。

後悔してない?! 「部活に入らない」と決めてから1年半後の心境

たまに娘がボソッと呟くんです。

やっぱ部活入らなくて良かったぁ〜!ホント毎日たのしいもん!!」って。

きっと部活に入ったら入ったで楽しい事も沢山あるだろうけど、周りの友達からは部活の愚痴しか聞こえてこないみたいで。それだけが聞こえてきちゃう娘にとって、そういう感想を抱くのも当然といえば当然ですね。苦笑

部活に入る子 vs 部活に入らない子

そうなってくると「いっそのこと部活制度をなくしてみたらイイんじゃない?」という意見も聞こえてきそうですが、私自身は「やっぱり部活って良いものだ」と思っています。

ただ、私の娘をみていると「部活に入らないほうが幸せな子って、結構いるのかも」とも思うのです。笑

やっぱり人それぞれタイプが異なるので、最近話題の「フリーランスvs会社員」的なアレと考え方は同じ。子どもにだって向き不向きがあるし、やりたい事をやる方が人生は輝くんじゃないかと思います。

わが子が部活に入らないと言いだしたらどうする?!

このブログを読んでくださっている方の中には、お子さんが部活に入りたくないと言って悩まれていたり、お子さんご自身が悩んでいたりするかもしれませんね。

でも全然大丈夫。

気にしないで、思ったようにすると良いですよ。

強いて言うなら「やりたくない事を仕方なくやるくらいなら、部活なんてやらない方がいい!」と私は思います。

その時間にトコトン好きな事をやって夢中になれるものを見つけたり、自分自身がどんな事をしていると楽しいのかをあらためて見直す時間に充てると良いのではないでしょうか。

まとめ

  • 部活に入らなくても子どもは素敵に育つ
  • 部活に入っても子どもは素敵に育つ(楽しんで取り組めるのが理想)
  • 最後は自分で決めることが大事

色々な本にも書かれていますが、これからは自分の好きな事が仕事になる時代。

部活に入るか入らないかは実はどうでもよくて、自分がどんな時に嬉しいと感じて何をしている時が楽しいのか、それを見つけられることの方が100倍重要です。

自分が決めた道を信じて、突き進みましょう!!!

2023年の後日談

たまたま2018年に書いたこのブログを開く機会があって、先ほどちょこちょこと追記をしました。今となっては懐かしく、部活に入らなかった娘は成人し、現在カナダで留学中。部活を1年で辞めた息子は高校2年生になり、それぞれとても素敵に育っています。

娘はHSP(いわゆる「繊細さん」)ですが、カナダでは年上の方ばかりの中で生活しているので、今この記事を振り返りながら「やっぱり部活に入らないという選択は、取るに足らないことだった」と実感しています。

高校で進学校を希望している方や、推薦で進学したい方であれば「多少は」ポイントとして考慮すべきことではありますが、そうではないのであれば尚更、一切気にする必要はありません。

ぜひお子さんとしっかり向き合って、親子で話し合ってみてくださいね。